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バレンタイン2
「父上に贈るのですか?」
「ええ、そうよ。今年はよかったわ、ちゃんと連絡のつく所にいてくれて」
エアクッションに包んだチョコレートの綺麗な箱を、一回り大きなダンボールに入れ
ガムテープで封をする。
「コンラートにもちゃんと用意してあるわよ」
コンラートは、瞬きをして、母上を見上げました。
「母上が、俺に?」
「ええ、そう。だって、あたくし、コンラートの事だーいすき、ですもの」
ふふふ、と笑って母上はしゃがむとコンラートを抱き寄せ、頬ずりしました。
母上の甘い香りがふわり、と鼻先をくすぐりました。
「当日に渡すから、楽しみにしていてね、コンラート」
「はい、ありがとうございます!」
母上からチョコレートをもらえるとは思ってもいなかったので、
コンラートはとても嬉しいと思いました。
しかし、困りました。
ばれんたいんまで、あまり日にちがありません。
けれど、コンラートはまだチョコレートを用意できていません。
自分で使えるお金も持っていません。
なので、買いにいくこともできません。
母上とお買い物に行って買ってもらうのは、なんだか恥ずかしいです。
「どうしよう・・・」
コンラートは、床を見つめました。
「父上に贈るのですか?」
「ええ、そうよ。今年はよかったわ、ちゃんと連絡のつく所にいてくれて」
エアクッションに包んだチョコレートの綺麗な箱を、一回り大きなダンボールに入れ
ガムテープで封をする。
「コンラートにもちゃんと用意してあるわよ」
コンラートは、瞬きをして、母上を見上げました。
「母上が、俺に?」
「ええ、そう。だって、あたくし、コンラートの事だーいすき、ですもの」
ふふふ、と笑って母上はしゃがむとコンラートを抱き寄せ、頬ずりしました。
母上の甘い香りがふわり、と鼻先をくすぐりました。
「当日に渡すから、楽しみにしていてね、コンラート」
「はい、ありがとうございます!」
母上からチョコレートをもらえるとは思ってもいなかったので、
コンラートはとても嬉しいと思いました。
しかし、困りました。
ばれんたいんまで、あまり日にちがありません。
けれど、コンラートはまだチョコレートを用意できていません。
自分で使えるお金も持っていません。
なので、買いにいくこともできません。
母上とお買い物に行って買ってもらうのは、なんだか恥ずかしいです。
「どうしよう・・・」
コンラートは、床を見つめました。
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ポケットに手を入れ、指で探る。
いつもすぐにあるはずの感触が、ない。
「・・・あれ」
反対側のポケットを同じように探るが、やはり、無い。
鞄を開け、財布を取り出す。
当然、そんなところに仕舞ったはずもない。
「・・・落とした・・・?」
辺りを見渡すが、落ちてるわけもない。
「どこで?」
記憶を手繰る。
けれど、思い出せるはずもなく、コンラッドは溜息をつき腕時計を見た。
母が帰ってくるまで、あと4時間以上もある。
どこで暇つぶしをすればいいだろう。
とりあえず、玄関先に突っ立っていても仕方ないので図書館か何処かへ行こうと
身体の向きを変えたところで、思わぬ人に出会った。
「あっれ?コンラッド、どこ行くんだよ」
「ユーリ先輩」
「ああ・・・その」
どうして、こうタイミングが悪いんだろう。
彼にはいつも格好悪いところばかり見られている気がする。
「鍵、を」
「鍵?もしかして、家の鍵落っことしたのか?」
「・・・はい」
彼は大きな目を瞬かせた。
「家、入れないじゃん。お袋さんは?」
「20時過ぎには帰ってくるかと」
「んー・・・まだ、けっこう時間あるな」
「そうなんです、だから図書館にでも行って時間を潰そうかと」
彼は、軽く溜息をついた。
「よし、じゃぁ鍵探して、見つからなかったら、家来いよ」
家で、お袋さん帰ってくるの待てばいいよ。
「でも、ご迷惑」
「なに、言ってんの。幼馴染なんだから、遠慮すんなって。ほら、探しに行こ!」
彼は笑うと今来た道を戻りはじめた。
いつもすぐにあるはずの感触が、ない。
「・・・あれ」
反対側のポケットを同じように探るが、やはり、無い。
鞄を開け、財布を取り出す。
当然、そんなところに仕舞ったはずもない。
「・・・落とした・・・?」
辺りを見渡すが、落ちてるわけもない。
「どこで?」
記憶を手繰る。
けれど、思い出せるはずもなく、コンラッドは溜息をつき腕時計を見た。
母が帰ってくるまで、あと4時間以上もある。
どこで暇つぶしをすればいいだろう。
とりあえず、玄関先に突っ立っていても仕方ないので図書館か何処かへ行こうと
身体の向きを変えたところで、思わぬ人に出会った。
「あっれ?コンラッド、どこ行くんだよ」
「ユーリ先輩」
「ああ・・・その」
どうして、こうタイミングが悪いんだろう。
彼にはいつも格好悪いところばかり見られている気がする。
「鍵、を」
「鍵?もしかして、家の鍵落っことしたのか?」
「・・・はい」
彼は大きな目を瞬かせた。
「家、入れないじゃん。お袋さんは?」
「20時過ぎには帰ってくるかと」
「んー・・・まだ、けっこう時間あるな」
「そうなんです、だから図書館にでも行って時間を潰そうかと」
彼は、軽く溜息をついた。
「よし、じゃぁ鍵探して、見つからなかったら、家来いよ」
家で、お袋さん帰ってくるの待てばいいよ。
「でも、ご迷惑」
「なに、言ってんの。幼馴染なんだから、遠慮すんなって。ほら、探しに行こ!」
彼は笑うと今来た道を戻りはじめた。
バレンタイン
「ああ、そろそろバレンタインなのねぇ」
絵本を読んでいたら、雑誌を読んでいた母上がそんな独り言を言いました。
「ばれんたいん?」
コンラッドは、きょん、と母上を見ました。
「ええ、そうよ。女の子が、好きな男の子にチョコレートを渡して好きです、って告白する日
なのよ」
白い指が、コンラートの髪を梳きます。
「それは、いつなのですか?」
「2月14日よ。コンラートもあと何年かしたら、きっと沢山チョコレートを持って帰ってくるのよねぇ」
楽しみね、母上は柔らかく笑みました。
「母上」
「なぁに?」
「男の子がチョコをあげるのは駄目なんですか?」
母上はパチパチと瞬きを繰り返してから、その美しい唇に笑みを浮かべました。
「いいえ、そんな事はないわ。好きって気持ちを伝えるのだから、男の子からでもいいと思うわ」
「そうなんですか」
「コンラートは、誰かあげたいひとがいるの?」
「それは・・・あの」
「ふふっ。コンラートったら、照れ屋さんね・・・いいわ。今度、教えてね」
母上は、ツン、とコンラートの頬を指先で突くとまた、雑誌に視線を落としてしまいました。
2月14日・・・ばれんたいん。
コンラートは忘れないように小さく、何度も呟きました。
「ああ、そろそろバレンタインなのねぇ」
絵本を読んでいたら、雑誌を読んでいた母上がそんな独り言を言いました。
「ばれんたいん?」
コンラッドは、きょん、と母上を見ました。
「ええ、そうよ。女の子が、好きな男の子にチョコレートを渡して好きです、って告白する日
なのよ」
白い指が、コンラートの髪を梳きます。
「それは、いつなのですか?」
「2月14日よ。コンラートもあと何年かしたら、きっと沢山チョコレートを持って帰ってくるのよねぇ」
楽しみね、母上は柔らかく笑みました。
「母上」
「なぁに?」
「男の子がチョコをあげるのは駄目なんですか?」
母上はパチパチと瞬きを繰り返してから、その美しい唇に笑みを浮かべました。
「いいえ、そんな事はないわ。好きって気持ちを伝えるのだから、男の子からでもいいと思うわ」
「そうなんですか」
「コンラートは、誰かあげたいひとがいるの?」
「それは・・・あの」
「ふふっ。コンラートったら、照れ屋さんね・・・いいわ。今度、教えてね」
母上は、ツン、とコンラートの頬を指先で突くとまた、雑誌に視線を落としてしまいました。
2月14日・・・ばれんたいん。
コンラートは忘れないように小さく、何度も呟きました。
「・・・ん」
目を開けると、物凄く近い距離に彼の顔があった。
驚いて、がば!と起き上がろうとしたら、後頭部がなんだか痛かった。
「コンラッド!よかった、気が付いた!」
「えっ、と・・・あの、俺は・・・」
「玄関で倒れたんだよ。覚えてない?」
とりあえず、まだ横になってたほうがいいよと言いながら、そっと身体を押された。
何か飲み物を取ってくると言って彼は、キッチンへ。
柔らかなクッションに頭を預け、思い出す。
確か犬達に歓迎されて、それでシャワーを浴びてたという彼が、
現れて・・・
「う・・・っ」
「コンラッド?どうかした?」
飲み物を取りに行っていた彼が、心配そうに声を掛けてきた。
「あ、いえ・・・なんでもないです」
そっと、手を見る。
掌は赤く染まることもなく、ほっとした。
「起きれる?」
「はい」
コンラッドは、肘をついて静かに起き上がった。
「用がないんならもう少し家でゆっくりしてきなよ」
「すみません、そうさせてもらいます」
玄関先で倒れるなんて失態だったが、
彼とティータイムが持てたので、後頭部の痛みなんてどこかへ行ってしまった。
目を開けると、物凄く近い距離に彼の顔があった。
驚いて、がば!と起き上がろうとしたら、後頭部がなんだか痛かった。
「コンラッド!よかった、気が付いた!」
「えっ、と・・・あの、俺は・・・」
「玄関で倒れたんだよ。覚えてない?」
とりあえず、まだ横になってたほうがいいよと言いながら、そっと身体を押された。
何か飲み物を取ってくると言って彼は、キッチンへ。
柔らかなクッションに頭を預け、思い出す。
確か犬達に歓迎されて、それでシャワーを浴びてたという彼が、
現れて・・・
「う・・・っ」
「コンラッド?どうかした?」
飲み物を取りに行っていた彼が、心配そうに声を掛けてきた。
「あ、いえ・・・なんでもないです」
そっと、手を見る。
掌は赤く染まることもなく、ほっとした。
「起きれる?」
「はい」
コンラッドは、肘をついて静かに起き上がった。
「用がないんならもう少し家でゆっくりしてきなよ」
「すみません、そうさせてもらいます」
玄関先で倒れるなんて失態だったが、
彼とティータイムが持てたので、後頭部の痛みなんてどこかへ行ってしまった。
ピンポーン!
チャイムを鳴らししばらく待つが誰も出てこない。
「留守、かな」
試しに、ドアノブを引いてみるとカチャと小さな音を立てて開いた。
「・・・開いてる」
無用心だなぁと思いつつ中に入る。
「すみません、ウェラーですけど」
奥に声をかけると、
チャカチャカチャカと言う音とワンワン!という鳴声が聞えた。
コンラッドの全身に力が入る。
タラ、と背中に汗の流れる感じ。
奥から尻尾をフリフリコンラッド目掛けてかけてくる犬達。
彼の家に訪れることが久しぶりで失念していた。
彼の家が犬を飼っていることを。
けれど、今頃気づいてももう遅かった。
渋谷家の犬達は人懐っこい。
コンラッドの足にじゃれつき、手をペロペロ舐める。
熱烈歓迎中だ。
自分を歓迎してくれるのはひとりでいいのに。
コンラッドは意識が遠くなっていくのがわかった。
「あ、あの・・・誰か」
早く家人が来ないだろうか、そう思っていると、パタパタとスリッパの音がした。
ほっ、と息を吐き出し顔をあげると、彼が小走りにやってくるのが見えた。
「すみませんお待たせして!・・・って、コンラッドか」
ごめんなー、暑いからシャワー浴びてたんだよ。
なるほど、シャワーを・・・だから、シャツが濡れて肌に張り付いて。
ああ、なんだろう頭がクラクラする。
「で、なに?あ、回覧板かー・・・って、コンラッド!?ちょ、しっかり!」
コンラッドー!
ああ、彼の声が遠くから聞える。
ドタ・・・ッ
何の音だろう、考える間も無く目の前が真っ暗になってしまった。
チャイムを鳴らししばらく待つが誰も出てこない。
「留守、かな」
試しに、ドアノブを引いてみるとカチャと小さな音を立てて開いた。
「・・・開いてる」
無用心だなぁと思いつつ中に入る。
「すみません、ウェラーですけど」
奥に声をかけると、
チャカチャカチャカと言う音とワンワン!という鳴声が聞えた。
コンラッドの全身に力が入る。
タラ、と背中に汗の流れる感じ。
奥から尻尾をフリフリコンラッド目掛けてかけてくる犬達。
彼の家に訪れることが久しぶりで失念していた。
彼の家が犬を飼っていることを。
けれど、今頃気づいてももう遅かった。
渋谷家の犬達は人懐っこい。
コンラッドの足にじゃれつき、手をペロペロ舐める。
熱烈歓迎中だ。
自分を歓迎してくれるのはひとりでいいのに。
コンラッドは意識が遠くなっていくのがわかった。
「あ、あの・・・誰か」
早く家人が来ないだろうか、そう思っていると、パタパタとスリッパの音がした。
ほっ、と息を吐き出し顔をあげると、彼が小走りにやってくるのが見えた。
「すみませんお待たせして!・・・って、コンラッドか」
ごめんなー、暑いからシャワー浴びてたんだよ。
なるほど、シャワーを・・・だから、シャツが濡れて肌に張り付いて。
ああ、なんだろう頭がクラクラする。
「で、なに?あ、回覧板かー・・・って、コンラッド!?ちょ、しっかり!」
コンラッドー!
ああ、彼の声が遠くから聞える。
ドタ・・・ッ
何の音だろう、考える間も無く目の前が真っ暗になってしまった。